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高血圧はなぜいけないのでしょうか?
血圧は末梢血管抵抗×心拍出量であらわされます。分かりやすくするため、ホースで水を撒く光景を想像して下さい。ホースを血管に例えてみましょう。ホースを指でつまむとホースの内径が狭くなり、水が勢いよくでます。これは内径が狭まり、末梢血管抵抗が増えることにより、血圧が上がるのに相当します。緊張した時に血圧が上がるのは末梢の血管が収縮するためですし、入浴後や適度の飲酒で血圧が下がるのは血管が拡張し内径が広がるからです。アルコールを飲むと顔が赤くなるのはそのためです。実際、血管拡張作用のある降圧薬を服用すると顔が赤くなる人がいます。水道の蛇口をひねって水の量を増やすとどうなるでしょうか。やはり遠くまで飛んでいきます。これは心拍出量が増え血圧が上がるのに相当します。水の量を増やし、指を強く押さえるとホースが蛇口からはずれてしまいます。これは、ホースの内圧が高まったため耐えきれなくなったためです。高血圧の人は通常血管の中膜が厚く伸展が悪くなり血管抵抗が増えます。高血圧が長期間継続すると血管の内膜が厚くなり、内径が狭くなります。これが動脈硬化です。常に高い圧力に抗して血液を送り出さなければならないので心臓が肥大してきます。心臓が肥大すると狭心症、心筋梗塞、不整脈等が起こりやすくなります。脳の血管の動脈硬化は脳出血のみでなく、脳梗塞や痴呆症(脳血管性痴呆症)の原因となります。腎臓の血管の圧が高まると蛋白尿が出るようになり、動脈硬化が進むと腎機能が低下します。足の血管の動脈硬化が進むと血流不足になり、休まないと500メートル以上歩けなくなってしまいます。目の血管の動脈硬化は眼底出血をおこします。このように高血圧は種々の臓器障害(特に心臓、脳が重要)を起こし寿命を短めます。


高血圧はなぜいけないのでしょうか?
なぜ高血圧になるのでしょうか?
高血圧はどのように管理したらよいのでしょうか?
高血圧の治療につき教えて下さい
なぜ高血圧になるのでしょうか?
高血圧には遺伝が関係しています。両親共に高血圧の場合、子供は約60%が高血圧になります。片親だけなら30%です。両親共に血圧が正常であれば、わずか5%しか高血圧にならないのです。このように、遺伝的素因があって発症してくる高血圧を本態性高血圧と言いますが、すべての高血圧の97%くらいがこのタイプです。通常、低い方(拡張期血圧)の血圧が上がります。血管中膜の肥厚によるものです。

数%の高血圧は他の疾患に併発して起きてきます。副腎に血圧を上げるホルモンを産生する腫瘍ができたり、腎臓の血管が異常に細かったり、腎炎の後に血圧が上がる場合等です。

この場合は原疾患の治療を行えば血圧もさがります。高血圧が持続すると動脈硬化が起こりますが、逆に動脈硬化が進むと血圧が上がってきます。血圧の高いほう(収縮期血圧)が上がります。これは血管の内膜が肥厚してくるために起こります。

血圧は塩分の摂取量とも関連します。塩分をとり過ぎると血管の中の水分の量が増え血圧が上がります。肥満や糖尿病があると塩分を貯留しやすくなり、血圧は高くなる傾向があります。塩分摂取量を1日7g以下にすれば、大半の方の血圧は下がります。特に肥満の場合は顕著です。後でお話しますが,日中と夜間の血圧に差がない(普通は1割位夜間が低くなる)タイプの高血圧にも塩分制限は効果があります。
高血圧はどのように管理したらよいのでしょうか?
高血圧を指摘されたら、まず本当に高いのかどうか確認して下さい。血圧は緊張したり、活動したりすると20位すぐに上がってしまいます。テレビを観ている時は5mmHg、食事や電話をしているときは10mmHg位,会議の時は20mmHgくらい上昇します。私は安静時の血圧は110mmHgしかありませんが、診察中は130mmmHgあります。診察中に大事な電話が入ると150位になります。往診で車を運転している時は150mmHgです。健康診断で高血圧といわれ来院された方で正常のこともかなりあります。初対面の場合は必ずといってよいほど高くなります。日を替えて5回くらい同じ先生に測ってもらって下さい。又、同じ時に測っても何回か測ると段々下がってくることが多いのです。正確には血圧の差が5mmHg以内になってからの3回の平均をとります。通常はじめが高く,深呼吸をしてもらい何回か測定するうちに下がってきますので,下がりきってからの3回の平均と考えてください。これは家庭用血圧計でもいっしょです。家庭で測る場合もはじめが高くなる傾向があります。測る前、測っている最中に深呼吸をするとあまり差がなくなると思います。私は健康診断で血圧を測って貰う時は、血圧計を巻く前から深呼吸をします。測っている最中も深呼吸を続けています。健診でもいつもと同じ110mmHg前後です。、自宅で測る時は通常朝起きた時と寝る前の2回はかります。1回に何度も測定するのがどうして無理であれば、よく深呼吸して測ってみてください。数日やってみて、2度目、3度目との差がなければ1度だけの測定でもよいと思います。

家庭用血圧計は現在約2000万台が使用されています。既にお持ちの方も多いと思います。指,手首で測る血圧計は誤差が大きくあまりお勧めできません。特に動脈硬化が進んでいると誤差が大きくなります。腕で測るタイプは問題ないと思いますが,一般にゆるく巻く方が多いようです。指2本くらい入る程度が適量です。中には,指どころか手が全部入る位ゆるゆるに巻く人がいます。家庭用血圧で注意しなければならないことは、正常値が医院で測るのとは違うことです。自分で測ると緊張しないため低く出やすいのです。高血圧の診断基準,治療基準は医療機間で測定した値に基づいて決めてあります。保健所や健康診断の血圧も含まれます。医療機間で測定した血圧140/90mmHgに相当するのが家庭用血圧では125/80mmHg程度といわれています。つまり、上が15,下が10程度低めに出るということです。WHOのガイドラインでは家庭血圧の場合の正常血圧は125/80以下とし、135/85以上を高血圧としています。

それでは、医療機間で測定した際の基準について詳しくお話しましょう。米国合同委員会の基準がよく用いられます。

至適血圧は上が120mmHg未満かつ下が80mmHg未満です。130mmHg未満かつ85mmHg未満が正常血圧です。130-139または85-89を正常高値血圧といいます。糖尿病の人や心肥大,狭心症,脳血管疾患等が既にある場合は薬物治療の適応となります。ない場合は食生活,運動療法等のライフスタイルを改善します。140-159または90-99mmHgを軽症高血圧といいます。この場合は他の危険因子や臓器,心血管合併症がなければ1年間,危険因子が一つでもあれば半年間、ライフスタイルの改善で経過観察します。ここでいう危険因子とは喫煙、高脂血症、糖尿病、60歳以上、心筋梗塞や脳卒中の家族歴(男性55歳未満、女性65歳未満)をいいます。糖尿病または高血圧臓器合併症および心血管疾患がある場合は直ちに薬物療法を行います。上が180以上ないし下が110以上を重症高血圧といいます。この場合は危険因子がなくても直ちに薬物治療を行います。一般治療目標は140/90mmHg未満ですが、糖尿病では130/85未満、蛋白尿が出ている時も130/85未満、蛋白尿が1g以上でているときは125/75未満を目標にします。WHOでは糖尿病患者の場合は合併症回避のため拡張期血圧を80未満にすることが望ましいとしています。

欧米の調査によると血圧の治療を受けている患者さんの約半数が160/90mmHg以上で140/90mmHg未満はわずか4分の1であったとのことです。
高血圧の治療につき教えて下さい
食事療法、運動療法が基本です。肥満の人は減量できれば必ず血圧は下がってきます。運動療法は有酸素運動が効果があります。当ホームページの糖尿病の運動療法を参考にして下さい。高血圧、糖尿病、高脂血症等の運動療法は基本的にいっしょです。週に1回4時間やるより、毎日30分でも行った方が効果があります。高血圧の場合、普段より血圧がかなり高いときや頭痛等の症状がある時は止めてください。主治医の先生にどの程度の運動が適量か相談してから始めましょう。気をつけてほしいのは、運動が大事というと、思いついたように毎日何時間もする方がいらっしゃいますが、膝や足首を痛めることもあり、徐々に時間を増やし、やっても1時間以内にされた方がよいでしょう。ちゃんとしたウォーキングシューズを履いて歩いて下さい。

食事療法は減塩が基本です。1日7g以下にするのが理想ですが、かなり難しいと思います。できることから始めて下さい。梅干は1個で塩分が2gあります。塩じゃけ、たらこ、カップラーメンも5g近く塩分が含まれます。こういった塩分の多い食品は食べるのを止めて下さい。味噌汁は1日1杯だけにしましょう。既に味のついているものには、さらに醤油やソースをかけるのを止めましょう。外食は塩分が多いので気をつけましょう。減塩醤油を用いて下さい。薄口醤油の塩分は普通の醤油よりかなり多いですので気をつけて下さい。肥満の人は標準体重まで減量してください。この時カロリーは減らしても必要な栄養分は取って下さい。鉄分が不足すると貧血に、カルシウムが不足すると骨粗症になります。安全に減量するには糖尿病食を摂って下さい。偏りのない食事、それが糖尿病食なのです。

個人差がありますが、減塩、運動、減量を実行すれば5−30mmHg程度血圧は下がります。特に肥満があり高血圧の人は著効することが多いです。

高血圧に限らず動脈硬化を起こす危険因子をお持ちの方はまず禁煙して下さい。喫煙自体が動脈硬化をさらに促進し、寿命を大幅に縮めます。特に高血圧の人は影響が大きいのです。タバコを1本吸うと血圧は約10mmmHg上がります。この作用は30分近く持続します。言いかえれば、30分おきにタバコを吸う人の血圧は10mmHg高いことになります。タバコの害についてはいずれまとめてみたいと思っています。

次に薬の話をしましょう。高血圧の薬にはいろいろな種類があります。自分にあったものを主治医の先生に選んで貰って下さい。高血圧の種類、程度や他の危険因子、合併症の有無等により用いる薬は異なってきます。重要なことは、1)24時間通して血圧が下がっていること、2)服用して調子が良い事です。顔がほてる、脈が速くなる,立ちくらみがする等はカルシウム拮抗薬でよくみられる副作用ですし,アンジオテンシン変換酵素阻害薬ではしばしば咳がみられます。β遮断薬では元気がなくなることがあります。服用し続けても害はないのですが、その人に対し何も起きない薬があれば、それにこしたことはありません。

通常、薬は服用数時間後が一番効いています。朝7時に服用すると10時から11時頃が最も下がっていることが多いのです。この時間帯は皆さんが医療機間で血圧を測っている頃ではないですか? 午前中はいつもちょうど良いのに、夕方たまたま受診したら高かったという記憶はないですか? 24時間同じ程度に血圧を下げ続けるという薬はありません。1日3回服用する降圧薬は数時間後,1日1回のは4−6時間後が最も下がります。その後、少しづつ上がりはじめますが,夜間や就寝後は活動が減るため、日中に比べ1割位下がります。明け方になると活動にそなえ血圧が上がってきます。心筋梗塞や脳梗塞が一番起こりやすい早朝の時間に高くなっていることがしばしばあります。この時間帯の血圧は医療機間では測定できませんが、血圧管理上最も重要なのです。是非24時間血圧をチェックして貰って下さい。ウォークマンのような機械を腰につけ、血圧計を腕に巻くだけで,日中は30分おき,夜間は1時間間隔で血圧を測定し記録します。医療保険の適応はありませんが、自費で1000円程度でやられている医療機間が多いと思います。入浴はできませんが、普段どおりの生活をしていてかまいません。血圧がグラフになって解析できます。明け方高くないか,夜間下がっているかどうか等分かります。通常夜間は寝ているため,血圧は約1割低くなるのですが、中には日中と変わらない人がいます。塩分過剰になっていると夜間も尿に塩分を排出しなければならず高いままになります。肥満の人は塩分過剰になりやすいため夜間高い人が多いのです。夜間高いと脳出血になりやすくなります。逆に夜間下げ過ぎると脳梗塞を起こしやすくなります。日中の血圧が高いため薬を増量したば場合は注意する必要があります。

血圧の薬は飲み始めたら一生飲まなければならないのかどうか、という質問が多いのですが、2割位の方は止められます。血圧は冬と夏で上が8mmHg,下が4mmHg位差があります。1月が最も高く,8月が最も低くなります。私のところに通院しておられる患者さんで冬場だけ服用されている方も少なくありません。血圧の薬を止められる方は生活習慣を改善された、つまり,食事療法,運動療法,肥満の人は減量により血圧が下がったということです。もとからきちんとやっても高かった人は,生活習慣の改善効果が少ないですので,止めるのは難しいと言えます。逆に,止められるのであれば,初めから飲む必要がなかったとも言えます。高血圧の薬はビタミン剤とは違います。毎日服用している人が1日、飲まないと,お昼頃から血圧が上がってきます。薬は必ずかかさず服用して下さい。
 

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