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高脂血症教室
高脂血症はなぜ悪いのでしょうか?
高脂血症は動脈硬化をおこします。成人の3大死因は癌,心筋梗塞,脳卒中ですが高脂血症は心筋梗塞に大きく関与します。脳卒中にも関連しますが高血圧ほどではありません。高血圧,糖尿病,高脂血症、高尿酸血症,喫煙,ストレス等はすべて動脈硬化を促進しますが,心筋梗塞には特に高脂血症と喫煙の影響が大きいのです。コレステロールが240mg/dlの人は200mg/dlの人に比べ心筋梗塞による死亡率が約2倍になります。現在,心筋梗塞の死亡率は横ばいですが今後増加することが推測されます。なぜかといえば、喫煙率は先進国で最も高く,禁煙に関する啓蒙も十分行われているとは言えませんし、高齢者の高脂血症の頻度は年々増加し,当院の健康診断でも女性では約半数が高脂血症という状況だからです。日本の児童のコレステロール値は米国のそれより既に高くなっています。いろいろな原因で病死した若年者の病理解剖所見からも,若い世代の血管の動脈硬化が近年著しく進んでいることは間違いのない事実なのです。2倍といってもあまり多いとは思わないかもしれませんが、1割弱の方が心筋梗塞で亡くなり、脳梗塞の3分の1がコレステロールが関係していることを考えると大変なことなのです。前述した他の危険因子を持っていたり、コレステロール値がもっと高い場合はさらに危険です。特に高齢者糖尿病の死因の約30%は心筋梗塞ですから、糖尿病の患者さんは特に気をつける必要があります。

高脂血症は、なぜいけないのでしょうか?
高脂血症の原因
高脂血症の治療

コレステロールには善玉と悪玉があります。善玉のみが高いためにコレステロール値が高くなっている場合は通常問題ありません、悪玉コレステロール(LDL-コレ方ステロール)が重要ですので必ず測ってもらって下さい。悪玉コレステロールは計算式から求めることができます。LDL-コレステロール=総コレステロールーHDLコレステロール‐中性脂肪/5 。.ただし中性脂肪の高い人は低めに出る傾向があります。現在、直接法で悪玉コレステロール値を正確に測れますので是非測ってもらって下さい。 最近,悪玉でも酸化された悪玉コレステロールが特に動脈硬化を促進することが分かってきました。酸化を受けたコレステロールは通常のコレステロールとは認知されず血管壁の中に取り込まれ動脈硬化をおこすのです。粒子の小さい悪玉コレステロールは特に酸化を受けやすく危険なのですが、中性脂肪との関係が注目されてきています。すなわち、中性脂肪の高い人はコレステロール値が高くなくても粒子の小さい酸化を受けやすいコレステロールが多く危険なのです。両方が高い人はコレステロールが多い上に,非常に酸化されやすく極めて危険な状態にあるといえます。中性脂肪は食事の影響を受けますので、12時間以上あけて測ってください。9時に採血であれば前日9時以降はなにも食べずに検査してください。基準値は150未満です。食後の場合,250以上は高いと考えてよいでしょう。善玉コレステロール(HDL-コレステロール)は90mg/dlまでは動脈硬化を抑制しますが、100mg/dl以上ある場合は,逆に動脈硬化を進める場合があります。善玉コレステロールは血管壁に貯まったコレステロールを取り除き、肝臓に戻す作用があるのですが、酵素の欠損により取り出したコレステロールを戻せず持ったままになってしまっていることがあるからです。このHDLコレステロールには本来の機能がなくなってしまうため、数値は高くても低いのと同じことになります。
高脂血症の原因
コレステロールは、食物から摂取されるものより、肝臓で作られるものの方が4倍位多い
とされています。コレステロールは,人間の体の細胞膜やステロイドホルモン等の成分の1つでとても大事なものなのです。しかし、必要以上に摂取すると、血液中のコレステロールが上がり、これらが、血管の内膜に取り込まれ脂肪の固まりを作り、動脈硬化を起こすのです。コレステロールが上がる原因として、摂取の過剰、消費の減少、コレステロールが組織に取込まれにくくなる等が考えられます。二次性の高脂血症の原因としては、甲状腺機能低下症、尿に多量の蛋白が出るネフローゼ症候群が挙げられます。免疫の異常による甲状腺機能低下症は橋本病と呼ばれていますが、頻度の高い疾患です。夜間目が覚める、関節が痛い、気持ちが落ち込む等の症状がみられます。高齢女性の6%程度にみられます。
遺伝が関係する家族性高コレステロール血症があります。これは人口500人に一人の割合でみられます。コレステロールは通常300以上のことが多く、若いうちに高率に心筋梗塞を起こすので、注意が必要です。アキレス腱が肥厚したり、黄色種がみられる事が多く家系に心筋梗塞の多い高脂血症の患者さんはよく調べて貰って下さい。アキレス腱のレントゲン検査をするとわかります。
高脂血症の治療
a.食事療法
食物繊維の多いものは便の中にコレステロールを排出させる作用が強く、血中コレステロールを下げます。
同じ繊維でも果物や、海草等の水溶性の繊維の方が椎茸、野菜等の非水溶性の繊維より効果が高いとされています。
鰯、鯖、さんま、鮪等の青み魚は、善玉コレステロールを増やします。
また、植物性油も善玉コレステロールを増やしますが、カロリーは高いですので注意してください。
いくら、かずのこ、ししゃも等の卵が多く含まれる食物は、コレステロール含有量が多く血中コレステロールをあげます。鶏卵もコレステロール含有量が多いのですが、リン脂質がコレステロールを下げると言われており、実際6割位の人は鶏卵を食べても上がりません。しかし上がる人も多いのですから注意して下さい。
イカ、タコ等もコレステロールの含有量は多いのですが、タウリンというコレステロールを下げる物質が多く含まれているため以前言われたより影響は少ないようです。
飽和脂肪酸の多い食べ物はコレステロールを増やします。霜降り肉、バター、ベーコン、コンビーフ、ソーセージ等はなるべくひかえましょう。皮を取った鶏肉、ヒレ肉、ボンレスハム、等は比較的少ないといえます。
納豆、豆腐等の植物性蛋白を多く取るように心がけましょう。
適度のアルコールは善玉コレステロールを増やしますが、多いと中性脂肪を増加させ、かえって動脈硬化を進める原因となります。果物も中性脂肪を増やしますので取りすぎに注意しましょう。
喫煙は善玉コレステロールを減らし動脈硬化を進めるので、できれば禁煙すべきでしょう。
ビタミンEは悪玉コレステロールが酸化されるのを防ぎますので、コレステロールが血管の中に取り込まれ動脈硬化を進展させるのを抑制します。ビタミンE自身が酸化され効果がなくなっても、ビタミンCがあると元に戻ります。EもCも両方大事なのです。
ビタミンEは、カボチャ、サンマ、サバ、こまつな、ホウレン草、だいこん葉、凍や豆腐などに含まれています。
ビタミンCは、ブロッコリ、こまつな、ホウレン草、キャベツ、ピーマン、さつまいも、じゃがいもなどに多く含まれています。

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