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高尿酸血症、痛風の話
高尿酸血症、痛風ってなんでしょう?
尿酸値が高い状態を高尿酸血症、それにより関節痛をきたした場合を痛風と呼びま す。尿酸値が7mg/dlを超えると、血液の中に溶けきれなくなり、析出してしまい ます。砂糖を水に溶かしていくと、ある程度以上は溶けなくなり白くにごりますね。
それと同じ現象です。尿酸は温度が低いほど、酸性度が強いほど溶けにくくなり析 出しやすくなります。関節の中に尿酸の結晶が析出すると痛風になりますし、腎臓だ と腎結石ということになります。足の親指や耳たぶは人間の体の中で一番温度が低い から、尿は血液より酸性度が強いため腎臓で尿酸の結晶がたまりやすいのです。痛風 発作は風が吹いても痛いというように、この世の最大級の痛みといわれます。尿酸が 関節に貯まっただけでは発作は起きません。白血球が尿酸に戦いを挑み、あたりが戦 場となり、あちこちに火の手があがると痛風発作がおきるのです。この痛みは、通常 4日から10日以内に自然に消失します。戦いがとりあえず終わるからです。いった ん発作がおさまると半年くらいは起こりません。風のように去っていくから痛風とい う説もあります。尿酸が高いままになっているとまた再発します。初回発作の7割は 足の親指にきます。足首、足の指、アキレス腱、膝の関節など下肢に多いのですが、 頻度は低いですが、肘や手の関節にも起こることがあります。手首を捻挫してずっと 冷湿布をはっていた人が来院されましたが、そこの場所に痛風発作をおこしていまし た。温度が下がったためなのでしょう。

高尿酸血症、痛風ってなんでしょう?
尿酸の高い人は何に気をつけたらよいのでしょうか?
痛風の薬物療法について教えて下さい。
エジプトのミイラにも痛風を起した痕が見られますし、フレデリック大王、ゲーテ、
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ルイ14世、他海外では多くの歴史上の有名人にみられ るのですが、日本では100年前にはみられなかった病気なのです。近年、生活習慣 の欧米化に伴い著増している生活習慣病のひとつです。現在、日本では約50万人の 痛風患者さんがおられます。尿酸値の高い人は500万人はいるといわれています。
人間ドッグを受診された男性では30%以上が高尿酸血症との報告もあります。
近年、痛風患者が若年化しているのが問題です。飲酒する若者が増えたこと、肥満児 の増加などが背景にあります。
尿酸は体内に約1.2g程度あります。このうち1日に約750mgが入れ替わりま す。600mgは尿から、150mgは便から出ていきます。新たに作られる750 mgのうち、食事としてとったプリン体から約1割、体内で生じたプリン体からその 9割が作られます。プリン体の最終代謝産物が尿酸ということになります。尿酸の高 くなる人の大半は尿酸の排泄が悪い体質に、飲酒、過食による肥満や運動不足といっ た好ましくない生活習慣が加わり発症します。
この生活習慣は糖尿病、高脂血症とも共通しているため、全てをもち合わせている人 も大勢います。ただ尿酸値の平均は女性は男性より1から1.5mg/dlほど低いため 高尿酸血症は男性に多くみられますし、痛風の患者さんはほとんどが男性です。これ は、女性ホルモンのエストロゲンが尿酸の排泄を促すことにより、尿酸値を下げるか らです。閉経後は徐々に上がってきて、男性との差が短まります。
さて、この尿酸のもとになるプリン体ですが、レストランのデザートのプリンアラ
モードとは全く関係ありません。体内に60兆個もある細胞の中にあるDNAとかRNAと いった遺伝子の中に含まれるプリン基、アデニン、グアニンなどがこのプリン体に属 します。
また、エネルギーのもとになるATP(アデノシン3燐酸)もプリン体に属します。ATP はエネルギーとして消費されるとADP(アデノシン2燐酸)に変わります。有酸素運動 をするとTCAサイクルによりまたATPに戻りますから尿酸は増えません。筋力トレーニ ングや全力疾走のような無酸素運動の時はTCAサイクルが働かないため尿酸まで代謝 されることになりますので、尿酸値が増えます。
尿酸の高くなる原因は1)尿酸の排泄が悪い。2)尿酸の生成が亢進している。3) 両者の混合。の3つに分けられますが、1)が60%、2)が10%、3)が30% とされています。つまり、全体の90%に尿酸排泄の低下が見られるということにな ります。白血病やリンパ腫などでは血液中の細胞が著増するため、生成過剰になりま す。
痛風の人の寿命は健常人より10年くらい短いといわれています。これは主として動 脈硬化がそれだけ早く進むということです。心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。痛 風患者さんの死因は癌より虚血性心疾患のほうが多いのです。
尿路結石を有する人の割合は10〜30%といわれ、最近増加しています
尿酸の高い人は何に気をつけたらよいのでしょうか?
まず、アルコールを減らしてください。アルコールは種類によらず尿酸の合成を促進
し、尿への排泄を抑えます。特にビールにはプリン体も多く含まれます。焼酎やウイ
スキーのように蒸留したものの方が、プリン体は少ないですが、尿酸を増やす作用は ありますので飲めば、尿酸は上がります。肥満している人は減量してください。食事 の3大栄養素のバランスをカロリー比で糖質60%、蛋白質15〜20%、脂質2 0〜25%として下さい。現代の日本人は、特に若者では脂質の摂取、なかでも飽和 脂肪酸の摂取が多いので減らしてください。牛肉、豚肉、鶏肉などに多く含まれま す。野菜、海藻を多くとると、尿がアルカリ性の方向に動きますので、結石を作りに くくなります。ビタミンCやビタミンE等の抗酸化物質や魚を多く摂取することは動脈 硬化の予防になります。
食事に含まれるプリン体から作られる尿酸の量は1割程度なので、以前よりうるさく 言われなくなりましたが、多くとりすぎないよう注意する必要はあります。臓物は細 胞の塊ですので、遺伝子も多く、プリン体が多く含まれます。レバー等はほどほどに しましょう。丸ごと食べる貝やシシャモ、しらす等にも臓物はたくさん含まれています。魚卵や肉汁にもプリン体は多く含まれていますので注意して下さい。
魚の中では、さけ、ぶり等は比較的低プリンです。かつお、いわし、さんまには多く 含まれます。
運動は肥満を防止し、他の生活習慣病の発症を予防するためにも重要です。しかし、 ハードな運動はかえって尿酸を高めることにもなりますので逆効果です。
ストレスを貯めないことも大事です。ストレスがかかるとアドレナリンの作用で血管 が収縮します。腎臓の血管も収縮するため尿酸排泄が減ってしまうといわれていま す。喫煙は百害あって一利なしです。肺癌はむろん動脈硬化も進めます。是非、禁煙して 頂きたいと思います。
痛風の薬物療法について教えて下さい。
なんとなく関節が重い感じがするといった、痛風の前兆を感じる人がいます。この時コルヒチンという薬を服用すると、白血球が尿酸を攻撃しなくなり痛風発作は起きません。いったん発作が起きてしまってからでは無効です。
発作がいったん起きてしまったら消炎鎮痛剤、いわゆる痛み止めを服用します。痛み止めは通常の量では効かないことが多く、3倍量を一度に飲みます。
一日3錠服用する薬であれば、まず3錠服用し、3時間待っても痛みがとれなければ、もう3錠のみます。さらに3時間待っても効果なければもう3錠服用します。
結石を作らないようにするため、尿をアルカリ側にする重曹やウラリットUといった薬を飲みます。PH6.5前後が一番よいとされています。理由は酸性にすると尿酸が溶けなくなり析出してしまい、これ以上アルカリ側にすると今度は蓚酸カルシウムや、リン酸カルシウムといった結石をつくりやすくなるためです。高尿酸血症の場合、尿酸結石だけでなく蓚酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの結石も増えます。
尿酸が核となり、その周囲に他の成分がくっつくからです。痛風発作は尿酸が急に下がった場合も起きやすくなります。要するに尿酸値を大きく変動させてはいけないのです。ですから、発作が起きてもおちつくまで、尿酸を下げる薬は飲んではいけません。
尿酸を下げる薬は少量からはじめて徐々に増やします。半年くらいかけて正常化させます。尿酸値は5.5くらいに保つようにします。尿酸は体内で抗酸化作物質として働くともいわれています。必要以上に下げることはありません。
尿酸を下げる薬には、尿酸の排泄を促す薬と尿酸の生成を抑える薬があります。日本人は排泄が落ちている人が多いので主として尿酸の排泄促進薬を用います。排泄が正常な人に、排泄促進薬を用いると結石を作りやすくなったり、腎機能を悪化させる原因になります。どちらのタイプかは知っておく必要があります。24時間の尿を全てビニールにためて、その量をはかり、その中の少量を医院に持参してもらい尿酸の濃度を測ると一日の尿への排泄総量がわかります。ユリメートという蓄尿機がありますが、これは尿の50分の1づつが貯まるようにできていますので、家でも楽に蓄尿できます。医療機関で借りて施行します。蓄尿しないで行なうには、血中の尿酸値と尿中の尿酸値との比をとります。おおよその目安になります。
尿酸排泄薬は肝障害で死亡者が出たためテレビや新聞で大きく報道され、医療機関は混乱しましたが、この薬はどちらかというと安全な薬に属します。
多く使用されている薬はそれだけ副作用を起す者の総数も多くなりマスコミに取り上げられる機会も増えます。
とはいってもクスリは逆からよむとリスク、つまり副作用などが起こることはありえますので、定期的に血液検査を行ないチェックする必要があります。
尿酸生成抑制薬のアロプリノールの副作用には、皮膚症状、下痢、骨髄抑制(再生不良性貧血、白血球減少症)などがあります。
尿酸排泄促進薬のベンズブロマロンには、口内炎、下痢、頭痛、むくみ等が、プロベネシドには貧血、頭痛、ネフローゼ症候群、めまい等が報告されています。食欲不振、胃腸障害、肝障害、アレルギーはすべての薬で起こる可能性があります。
なにか症状が出たら、すぐに主治医の先生に連絡して下さい。定期的な血液検査をして、早く対処することが大事です。

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